Archive for 2月, 2012

パワーブレックファーストを体験したことはありますか?


ホテルの朝食ブッフェミーティングも楽しい。写真は名古屋のホテルの朝食ブッフェ。名古屋名物「海老フライ」もあります。

ニューヨークのビジネスマンは時間がいくらあっても足りないらしい。そこでランチタイムもミーティング時間にあてる「パワーランチ」がある。それでも時間が足りないので朝食にもミーティングしようという「パワーブレックファースト」なるものがある。朝9時までに3つのミーティングを終えちゃう人もいるという話を聞いたこともある。

ビジネスマンどころか会社勤めの経験がない僕にとっては無縁の話である。ただパワーブレックファーストに同席したことはある。それはカンヌ映画祭に連れて行ってもらった時のことだった。友人知人の会社は映画祭の期間は朝食を取りながらミーティングしていた。昼間はそれぞれ映画を観て、買付の交渉の時間にあてられてしまい、夜はパーティーやらプレミア上映会など深夜まで続くのでなかなか社内ミーティングの時間がとれない。そこで朝食を取りながら社内や仲間内と情報交換をしながら、購入する映画について話し合っていたのだ。僕?その時は映画祭を映画業界人ではない人から見たらどうなるかというブログ企画で映画祭を体験していた。よって僕はミーティングには参加しない。みんながミーティングしている席に一緒にはいるけど、クロワッサンをかじりながら新聞を読んでいた。

その頃のことを思い出し、岐阜でパワーブレックファーストの文化が広がらないかなぁとひそかに思っている。ご存知のように岐阜をはじめ、東海地区にはコーヒーを頼むだけでトーストやゆで卵などの朝食がつくモーニングというサービスがある。ちなみに家族が一年間に使う平均的な喫茶代の全国一位が岐阜市。そんな背景もあるので、岐阜市でパワーブレックファーストが盛んになってもよさそうな気がする。「朝飯前」ならぬ「朝飯中」に一仕事を終えたようで気分がいいではありませんか。しかし、その話をするとみんな表情がくもる。そういえば僕の周囲は夜型人間が多かった。

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マイナス7度の世界


この冬は全国的に記録的な寒波がやってきている。僕の住む村でも最低気温はマイナス7度を記録した。

軒下に置いたヤギの餌用の大根やブロッコリーの葉はカチカチに凍り、庭に置かれた手水鉢に張った氷はいつもより厚そうだ。外に設置されたトイレの水までもが凍ってしまった。僕が岐阜に戻ってきてから3年になるがこんなことは初めてである。マイナス7度の世界はまた違った光景を見せてくれる。このマイナス7の数字は記憶に残るだろう。記憶力が低下しているのに、こういったどうでもいい記憶だけは残るから不思議である。

そういえば4年ほど前、3月のヘルシンキの朝にリムジンバスから降り立った際、ビルに表示された気温もマイナス7度だった。11月から3月までの平均最低気温が氷点下で、マイナス30度の記録も持つこの街にとっては平凡な朝なのだろう。

しかし、30度を超えるインドはムンバイから移動してきたばかりの僕にとっては、かなりこたえた。寒さを通り越し、耳が痛いのと同時に鼻の頭もチリチリと違和感を覚える寒さである。寒さは尿意をもたらす。空港でトイレに行ったはずなのに既にトイレに行きたくなった。まだ朝も早く、店も開いていないので駅に向かった。

お金を払ったのだからと貧乏性の僕は写真を撮って出てきました。トイレにまで北欧らしいデザインを感じます。

構内にトイレは見つかったが有料トイレで1ユーロかかる。当時150円程度だったと思う。インドで1杯10円程度のチャイを飲んでいた僕にとって妙に高く感じられた。飲む時に金を払い、出す時にも金を払うなんて人間は、なんと無駄なことをしているのだろう。考察している場合ではなく、生理的な欲求はどんどん高まっていく。ポケットをさぐるが、1ユーロ玉がない。仕方なく内股気味で駅の売店まで走り、食べたくもないミントを購入し、その釣り銭で無事、用を足した。これもマイナス7度の記憶。凍った自宅のトイレの水を湯で溶かしながら、ヘルシンキの記憶を思い出す。

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朝ラーメン考


藤枝のラーメンと冷やしラーメン。これは一度、機会があればお試しあれ。朝から2杯とも食べちゃうんだよなぁ。

寝る3時間前に食べない。特に飲んだ後のラーメンはもってのほかである。もし、そんなに食べたいのなら我慢して寝てしまい、朝、起きてからラーメンを食べよう。そうすれば一日かけてカロリーを消費することができるのだから。といつも飲んだ後にラーメンが食べたくなる自分に言い聞かせている。

福島県喜多方市や静岡県藤枝市では朝にラーメンを食べる文化がある。通称「朝ラー」。生まれた理由は諸説あるが、工場が多い喜多方市の場合、夜勤明けの方のために朝から営業している。喜多方産の醤油を使ったスープと太いちぢれ麺が特徴である。

朝が早い漁業や茶業が盛んな藤枝市の場合、一仕事を終えた方のために朝から営業している。魚介ベースの醤油だしなのであっさりしており、こってりスープが苦手な女性ファンが多いのもうなずける。また、ゆでた麺を水でさらし、冷たいスープをかけた冷たいラーメンがあるのも特徴で温かいラーメンと一緒に頼む人も多い。

数年前からは東京駅にも朝ラーメンが登場し、出勤前のサラリーマンで賑わっている。先日、新宿の歌舞伎町の朝を歩いている際、営業しているラーメン店を見つけ、思わず立ち寄った。歌舞伎町のホストに一番人気の店のようで、ラーメン屋にしては珍しく個室まである。僕が入ってからも何組かのホストとそのお客らしき女性が一緒に入ってきた。朝には少々、きつい豚骨ラーメンを食べながら考えるわけである。一応、僕は朝ラーなのだが、彼らにとっては締めのラーメンなんだなぁと。

それにしてもカロリーの高そうな豚骨ラーメンを食べたからには、今日は、たくさん歩かなくてはいけないなぁとため息をつきながら、豚骨のスープをすする。何ともおかしな話である。食べ過ぎて、脂肪がついたと痩せることを考え、ついには漢方薬まで飲んで…。どこか根本的におかしい気はする。人間の欲望というのはおそろしいですね。

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末期がんの猫とニューヨークの朝


このところ即決を迫られるような話が続いた。元々、優柔不断な性格がちらほら顔を見せ、翌朝になると「あれでよかったのかなぁ」と思う。その後で、ふと思い出すことがある。

アメリカ同時多発テロ事件から2ヶ月後のニューヨークに行った時のこと。友人のマンションに到着すると猫が出迎えてくれた。その光景を見て友人が涙を流して猫を抱き締めた。状況がわからない僕は玄関先で立ち尽くすだけだった。実は猫は末期がんの状態でほとんど動かなかったが、久しぶりの来客を出迎えなければと彼なりに精一杯の力を振り絞ったらしい。  

そして、その日の夜中、猫に異変は起きた。素人の僕から見ても猫は呼吸すること自体が苦しそうだった。動物病院で猫の病状を見た医者は彼女に向かって静かに語りかけ、その言葉に反応して彼女は泣き崩れた。今以上に英語がわからない僕はただ猫をなでるしかなかった。

「イシコ…、決断してくれないかな…今の私には…無理」

泣きながら、途切れ途切れに彼女は日本語で訳し始めた。どうしても生かしておきたいのなら(といっても数日だが)、猫の痛みをとるためにモルヒネに近い注射を打つことができるし、このまま楽に死なせたいのなら安楽死させることもできるのだが、どうしますかと医者は尋ねているとのことだった。

ニューヨークには、かなりの回数行っていると思うんだけど不思議と写真が残ってないんだよなぁ。かろうじて夜景は残っていた。

「えっ?僕が今、即決するの?無理!無理!」

と口に出しそうになったが、彼女が判断することが難しいのは明らかだった。

パニックの頭をフル回転させた後、先生の経験上、今のこの状態の猫はどちらが幸せだと思いますかと尋ねてもらった。先生は安楽死という言葉は使わなかったが「楽にしてあげた方が…」と言った。そして、僕は「楽にしていただけますか?お願いします」と答え、猫を預け、彼女を連れて病室を出た。外は夜が明けようとしていた。肌寒い空気を感じながら、空を見上げ、お互い無言で熱いコーヒーをすすった。「あれでよかったのかなぁ…」と思いながら。

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